相続人全員が話し合いを行い、被相続人が所有していた財産の分割方法について合意に至った場合、その内容を遺産分割協議書として書面化し、相続人全員が署名・押印をします。
この遺産分割協議書は相続人全員が遺産分割に合意したことを証明する書類であり、不動産の名義変更などの手続きに必要です。
ただし、遺産分割協議書を作成した後に内容を変更・修正する場合には、相続人全員の承諾がなければ行うことができません。
遺産分割協議書を作成する際には、以下の注意点に気をつける必要があります。
はじめに、相続人の確定をしましょう
相続人全員が話し合って遺産分割協議書を作成した後、新たな相続人が現れた場合は、再度話し合って新たな遺産分割協議書を作成することとなり、二度手間となってしまいます。
このような事態を回避するためには、相続手続きが開始したら、はじめに被相続人の戸籍を収集して相続人を確定することが大切です。
話し合いは、遠方に住んでいる場合は、直接出向くことが難しいかもしれませんが、電話やメール、手紙などでのやり取りで参加することもできます。
財産は正確に記載しましょう
遺産分割協議書には、財産についての正確な情報を記載します。
もし記載漏れや誤りがあると、相続財産の名義変更等を受け付けてもらえない可能性があります。
そのため、不動産については登記簿上と同じ表記で、金融資産については金融機関名と支店名だけでなく、口座番号も記載することが推奨されます。
また、訂正が必要な場合には、相続人全員による訂正印の押印が必要になります。遺産分割協議書は、相続人全員が合意した内容を証明する書類であるため、訂正にも全員が合意する必要があります。
訂正による手間を増やさないためにも注意深く確認しながら進めていきましょう。
印鑑登録証明書を用意する
遺産分割協議書に署名・押印する際には、相続人全員がそれぞれの印鑑登録証明書を用意することとなります。
一部の相続手続きには有効期限が設定されているものがあるため、印鑑登録証明書の発行日が3か月以上前の場合には、再度取得をすることをおすすめします。
また、遺産分割協議書が複数枚になる場合には、改ざんを防ぐために相続人全員が実印による契印（割印）をします。これにより、後からの差し替えや改変を防ぐことができます。
