家族信託の活用事例

家族信託とは、2007年の信託法改正により始まった最新の財産管理の仕組みのことをいいます。従来の生前対策よりも自由度が高く、生前対策の方法に幅が広がりました。一般的には、家族や親族と財産管理・運用・処分などについての契約を結びます。

こちらでは家族信託の事例についてご説明いたします。

子供や孫へ財産を贈与し、学費や結婚資金などに使ってもらいたいというご希望がある場合は、家族信託が有効です。元気で判断能力が正常なうちに、財産を贈与する条件（相手や時期など）を信託の内容として契約を行うことで、希望通りに贈与することができます。

家族信託は、認知症対策にもなります。事前に生前対策をせずに認知症を発症してしまった場合、自由に財産を管理したり運営したりすることができなくなってしまいます。事前に契約を結んでおけば、もしも認知症が発症してしまっても、契約者（受託者）が契約内容に従い財産管理をしてもらうことができます。

そのため、元気なうちに財産管理についての明確な指示を記した契約書を作成し、受託者と信託契約を結んでおくと良いでしょう。

会社を経営している方にも家族信託は有効です。ご自身の判断能力がはっきりとあるうちに受託者と信託契約を結んでおけば、契約内容に従って会社経営に関わりながら経営の一部を受託者に任せることも可能です。万が一の場合でも、会社の株が分割され会社の経営に支障がでないようにできるため、安心です。

遺産を分ける割合や優先順位は、法律で定められています。家族信託を活用すると、契約内容に遺産分割の際の割合や優先順位を記載しておけば、希望通りに遺産分割をすることが可能です。

不動産を所有している方にも家族信託は有効です。ご自身で不動産を管理している場合、もしも管理が困難な状況になってしまっても、受託者と不動産に管理方法について契約を結んでおけば、代わりに不動産の管理や処分をしてもらうことができます。