相続において被相続人の遺言書が残されていなかった場合、相続人全員で遺産分割協議を行います。
相続開始から遺産分割協議を行うまでの流れについては、以下の通りになります。
遺言書が存在するかを確認
相続で最優先されるのが遺言書の内容であり、遺言書の有無によって相続手続きの流れは異なります。
それゆえ相続開始とともに、まずは被相続人の遺言書が残されているかどうかの確認が必要です。
なお、遺言書が残されていた場合にはその内容に沿って遺産分割を行うことになるため、遺産分割協議は必要ありません。
相続人・財産調査を行う
遺言書の存在についての確認が済んだ後は、遺産分割協議の準備として相続人と財産の調査を行います。
また、今回の相続で相続人が誰になるかは、被相続人の出生から亡くなるまでの一連の戸籍謄本を取得することで確認でき、相続人を確認した後、相続人それぞれの戸籍謄本と戸籍の附票又は本籍地記載の住民票を取得しておくことでその後のお手続きがスムーズになります。
また、相続財産には当然のことながら借金やローンなどのマイナス財産も含まれるため、漏れがないように調査することが重要です。
調査が完了したら「相続関係説明図」と「財産目録」を作成し、これらを参照し遺産分割協議を行います。
遺産分割協議
遺産分割協議では被相続人が所有していた財産の分割方法について、調査により確定した相続人全員で協議を行います。
遺産分割協議がまとまった後は、合意した結果を遺産分割協議書にまとめます。書式などは特に定められていませんが、不動産の名義変更などの手続き上、必要な記載事項があるため注意が必要です。
必要な記載事項とは、①被相続人の氏名と死亡年月日、②最後の住所地、③相続人全員の署名と押印、④遺産の分割内容です。また、押印の際には実印になるため、印鑑証明書の取得も必要です。
なお、相続人が一人でも欠けていると遺産分割協議書は無効ですので、必ず相続人全員で遺産分割協議を行うよう注意しましょう。
被相続人の財産について話し合う遺産分割協議は、どんなに仲の良いご家族やご親族でもトラブルに発展する恐れがあるものです。
あらかじめ相続人同士のトラブルが予想される場合には、相続を得意とする専門家に相談することをおすすめします。
